電解脱脂剤
電解脱脂とは
洗浄品を薬液につけて電気を流して油脂や汚れを短時間でとる工程。
電解によって発生するガスの物理的な力で洗浄します。
ニッケルクロムめっきの場合、治具のクロム剥離も行います。
電解脱脂剤の成分
苛性ソーダ、ケイ酸塩、炭酸塩、キレート剤、界面活性剤等
鉄鋼用はアルカリ度が高いほど効果的、
非鉄用にはアルカリ度が高いと腐食や変色になるので、材料に合わせて選定をする。
電解脱脂の仕組み
水の電気分解理論から、陽極から酸素、陰極から水素が泡となって表面より発生します。
- 左図では、洗浄品の極性がプラスなので陽極電解です。
- 極性を逆にすると、洗浄品の極性がマイナスになるので陰極電解となります。
- また、一定時間で極性を切り替えて、陽極と陰極を交互に電解する電解を、PR電解という方法もあります。
- 電解脱脂では脱脂が目的なので陽極電解を行います。
- 素材によっては、陰極電解を選択する場合があります。
極性の選択
【鉄·鉄鋼】陽極電解 又は、陽極主体のPR電解
【銅·銅合金】陰極電解（不純金属が電着するので注意が必要です。）
電解脱脂剤 ラインナップ
1 Ｘ－１ＤＸ
電解脱脂シリーズでも特に脱脂力を強化
濃度 ６０～１２０ g/L
温度 ６０～８０ ℃
時間 ２～５ 分
電流密度 ５～１５ A/dm²
極性 陽極、陽極主体のPR
温度 ６０～８０ ℃
時間 ２～５ 分
電流密度 ５～１５ A/dm²
極性 陽極、陽極主体のPR
毒劇法 該当 水酸化ナトリウム
PRTR法 非該当 ー
労安法 該当 水酸化ナトリウム
PRTR法 非該当 ー
労安法 該当 水酸化ナトリウム
2 Ｓ－１
浸漬・電解共用可能
濃度 ６０～１００ g/L
温度 ４０～８０ ℃
時間 ２〜１０ 分
電流密度 ３～１０ A/dm²
極性 陽極、陽極主体のPR
温度 ４０～８０ ℃
時間 ２〜１０ 分
電流密度 ３～１０ A/dm²
極性 陽極、陽極主体のPR
毒劇法 該当 水酸化ナトリウム
PRTR法 非該当 ー
労安法 該当 水酸化ナトリウム
PRTR法 非該当 ー
労安法 該当 水酸化ナトリウム
3 Ｅ－９２４
パイプ品や複雑な形状の脱脂に最適
濃度 ８０～１００ g/L
温度 ６０～８０ ℃
時間 ３～５ 分
電流密度 ５～１５ A/dm²
極性 陽極、陽極主体のPR
温度 ６０～８０ ℃
時間 ３～５ 分
電流密度 ５～１５ A/dm²
極性 陽極、陽極主体のPR
毒劇法 該当 水酸化ナトリウム
PRTR法 非該当 ー
労安法 該当 水酸化ナトリウム
PRTR法 非該当 ー
労安法 該当 水酸化ナトリウム
4 Ｗ－１
浸漬・電解共用可能
濃度 ６０～８０ g/L
温度 ６０～８０ ℃
時間 １～５ 分
電流密度 ３～８ A/dm²
極性 陽極、陽極主体のPR
温度 ６０～８０ ℃
時間 １～５ 分
電流密度 ３～８ A/dm²
極性 陽極、陽極主体のPR
毒劇法 該当 水酸化ナトリウム
PRTR法 非該当 ー
労安法 該当 水酸化ナトリウム
PRTR法 非該当 ー
労安法 該当 水酸化ナトリウム
5 ＳＹ－１１
弱電部の脱脂力を強化した電解脱脂剤
濃度 ５０～１００ g/L
温度 ６０～８０ ℃
時間 ３～１０ 分
電流密度 ３～１０ A/dm²
極性 陽極、陽極主体のPR
温度 ６０～８０ ℃
時間 ３～１０ 分
電流密度 ３～１０ A/dm²
極性 陽極、陽極主体のPR
毒劇法 該当 水酸化ナトリウム
PRTR法 非該当 ー
労安法 該当 水酸化ナトリウム
PRTR法 非該当 ー
労安法 該当 水酸化ナトリウム