現場向け脱脂剤の選定基準は?無償サンプルの活用法や電解脱脂剤・ノーキレート脱脂剤の特徴なども解説
めっきや金属加工の現場では、多様な材質や油汚れに対応するため、脱脂剤の選定が課題となります。油脂を洗浄するだけでなく、その後のめっき品質や加工精度にも影響するため、性能に加えて、現場での扱いやすさや試験のしやすさも判断材料になります。市場にはさまざまな製品があり、どれを選ぶか迷うことも少なくありません。こちらでは、脱脂剤の選定基準や無償サンプルの活用方法、電解脱脂剤やノーキレート脱脂剤の特徴など、導入判断に役立つ情報をご紹介します。
現場向け脱脂剤の選定基準と無償サンプルの活用術

現場で脱脂剤を導入する際は、性能だけでなく、作業条件や試験のしやすさも確認が重要です。無償サンプルを活用すれば、現場環境に合わせた比較や検証が容易になり、導入判断をスムーズに進められます。
脱脂剤選定のポイント
脱脂剤を選ぶ際には、現場の状況を詳細に分析することが求められます。選定ポイントを押さえることで、自社のニーズに合った製品を見つけやすくなります。
処理対象物と汚れの種類
- 被洗浄物の材質(鉄、銅、アルミなど)を確認
- 落としたい油の種類(プレス油、切削油、防錆油、グリースなど)を把握
- 液性(アルカリ性、中性、酸性)による材質への影響も考慮する
洗浄方法と工程
- 浸漬、スプレー、超音波など、洗浄方法に応じた脱脂剤を選ぶ
- めっき、塗装、表面処理など、後工程との相性も確認する
環境配慮とコスト
- 排水処理の容易さや使用済み液の処理コストを評価
- キレート剤の有無、生分解性、PRTR法への該当など、環境負荷を確認する
無償サンプル活用のメリット
新しい脱脂剤の導入にはリスクも伴います。無償サンプルを活用すれば、事前に性能や作業性を確認でき、リスクを大幅に減らせます。
実機での性能評価
カタログスペックだけではわからない、実際の洗浄力を確認できます。自社の製品や汚れに対して、洗浄効果を事前に検証できるため、導入後の不具合リスクを減らすことが可能です。
現場作業員の意見反映
実際に作業員に試してもらうことで、使用感や作業性を把握できます。これにより、現場負担が少なく、スムーズに移行できる製品を選定しやすくなります。
コスト・プロセスの最適化
洗浄時間、温度、濃度などのパラメータを事前に調整できます。これは、ランニングコストの削減や生産効率向上につながります。
脱脂剤の選定ポイントと無償サンプル活用のメリットを理解することで、現場に合った製品を効率よく導入できます。
電解脱脂剤が有効な油汚れの種類と適切な選び方
電解脱脂剤は、電解反応を利用して金属表面の油汚れを除去する技術です。油の種類によって効果に差が出るため、対象の油種に応じた製品選定が重要です。
電解脱脂剤で除去できる油の種類
電解脱脂は、機械加工で使用される潤滑油や防錆油、プレス加工油など、さまざまな油に高い洗浄効果を発揮します。
- プレス油:加工時に使用され、金属表面に強く付着する油
- 切削油:切削加工時に使われ、金属粉と混ざり硬い汚れになることがある
- 防錆油:金属の錆を防ぐために塗布され、被膜が硬く除去が難しい場合がある
電解脱脂の原理と効果
電解脱脂は、脱脂剤を含む溶液に電流を流し、発生する気泡の物理的力と化学的作用を組み合わせて油汚れを除去する方法です。
気泡による物理的剥離
電流を流すと、被洗浄物の表面で水素ガス(陰極)や酸素ガス(陽極)の微細な気泡が発生します。これらの気泡が油汚れの下に入り込み、物理的に剥離します。
石鹸作用
アルカリ性脱脂剤では、油分を鹸化(石けん化)して水に溶けやすくする反応が起きます。
乳化作用
油分を微粒子に分散させ、溶液中に混ぜることで再付着を防ぎます。
これらの作用が組み合わさることで、浸漬洗浄では落ちにくい油脂汚れも除去しやすくなります。
製品選定のチェックポイント
電解脱脂剤を選ぶ際は、以下のポイントを確認すると効果的な洗浄を実現できます。
洗浄対象物の材質
鉄、銅、アルミなど、被洗浄物の材質によって適した成分が異なります。材質を侵食しない製品を選ぶことが重要です。
洗浄後の工程との相性
脱脂後のめっきや表面処理工程に悪影響を与えない製品を選びましょう。残留物やめっき密着性への影響がないかも確認が必要です。
メーカーのサポート
性能だけでなく、現場環境に合わせた使用方法やトラブル対応のサポートが充実しているかも選定の重要なポイントです。
電解脱脂剤は、油の種類や洗浄対象物に応じて適切に選ぶことで、強固な油汚れも効率的に除去できます。
ノーキレート電解脱脂剤がもたらす現場の課題解決

めっきや金属加工の現場では、油汚れの除去とともに、環境負荷の低減や排水処理コストの削減も重要な課題です。従来の脱脂剤に多く含まれるキレート剤は、これらの課題に深くかかわります。
キレート剤の役割と潜在的な問題
キレート剤は金属イオンを捕捉し、洗浄液中に安定させることで洗浄力を高めます。しかし、環境や排水処理に影響を与えることがあります。
排水処理の複雑化
キレート剤は重金属イオンと結合するため、従来の凝集沈殿法による除去が難しくなります。特別な排水処理設備やプロセスが必要になり、処理コストが増加する場合があります。
環境への影響
生分解性が低いキレート剤は、そのまま排水されると河川や土壌に影響する可能性があります。
ノーキレート電解脱脂剤が解決する課題
ノーキレート電解脱脂剤は、キレート剤を使わずに高い脱脂力を発揮する製品です。現場には以下のメリットがあります。
排水処理の簡素化とコスト削減
キレート剤が含まれないため、通常の凝集沈殿法で重金属を容易に除去可能です。また、排水処理プロセスが簡素化されることで、設備投資やランニングコストを大幅に削減できます。
環境負荷の低減
キレート剤を使わないことで、環境への影響を抑制できます。さらに、企業の環境コンプライアンス遵守やサステナブルな生産体制の構築に貢献します。
再利用性の向上
一部製品では、汚れを沈殿させることで液の寿命を延ばし、液交換の頻度を減らせます。
ノーキレート電解脱脂剤は、排水処理や環境対応の課題を軽減する、高い洗浄力を維持するなどが期待されます。現場の効率向上とコスト削減の両立を目指せるでしょう。
適切な脱脂剤選定が現場を変える
めっきや金属加工の現場では、脱脂剤を選ぶ際に洗浄力だけでなく、コスト・環境負荷・作業性なども考慮することが重要です。特に電解脱脂は頑固な油汚れに有効で、適切な製品を選ぶことで品質や生産性の向上につながります。
サンライト株式会社は、これまでの実績をもとに、お客様の現場に適した脱脂剤をご提案いたします。約300種類の製品ラインナップから、材質や汚れの種類、洗浄方法に合わせた製品を選定できます。導入前に試せる無償サンプルも提供しております。気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
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